キャリアコンサルティングとは?コンサルティングの内容と受けるメリットを解説

2024年4月8日

働き方の多様化が進む中、キャリアコンサルティングの必要性が高まっています。キャリアコンサルティングとは、働く人の仕事に対する想いを聞き、スキルアップや職業選択に向けたアドバイスをおこなうことです。知識とノウハウを持った担当者が相談に乗ってくれるため、一人で考えるよりも自分に合った答えが見つかりやすくなります。この記事では、キャリアコンサルティングの概要やコンサルティングの内容についてご紹介します。

キャリアコンサルティングとは?


キャリアコンサルティングとは、労働者の方の職業選択をサポートするほか、職業能力を向上させるためのアドバイスをおこなうことを指しています。厚生労働省の「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント」では、転職のためにスキルアップをしたいが何から始めようか迷っている、自分がどのような仕事に適性があるのかを知りたい、資格取得を目指しているが何が就職に有利になるのかを知りたいといった悩みを解決するためにキャリアコンサルティングの活用をすすめています。

キャリアコンサルティングを活用した方に話を聞くと、企業との契約形態を問わず9割以上の方が満足されているため、キャリアについて悩んでいる、迷っている場合は、一度相談してみるとよいでしょう。具体的に役に立った内容としては、仕事に対する意識が改善された、現在の職場で働き続けるモチベーションが湧いてきた、自分が目指したいキャリアイメージが具体的になったといった回答が得られています。

「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」では、職業年齢の延長など労働環境が変化する中で、企業と労働者が協力してキャリア形成について考えることの必要性について解説されています。従業員の学び促進には経営者の理解が、学ぶ機会を確保するためには現場リーダーの理解が、自律的で主体的な学びにはキャリアコンサルタントのサポートがそれぞれ必要とされています。

「令和元年度『能力開発基本調査』の結果を公表します」によると、すでに教育訓練費用を支出している企業は半数以上にのぼり、企業が支出する労働者一人あたりの学習費用の金額は平均1.9万円と記録されています。すでに多くの企業で従業員のキャリアアップのサポートが実施されています。

キャリアコンサルティングの必要性


キャリアコンサルティングの必要性が高まっている背景としては、社会環境の変化と個人の仕事に対する考え方の多様化の2つがあります。社会環境の変化としては、ひとつの企業で引退まで就労できる終身雇用や在籍年数によって賃金も上昇する年功序列が終焉を迎えようとしていることです。日本を代表するような大手企業でさえ、終身雇用を避けるために早期退職の募集などが実施されています。早期退職でゆっくりとした老後を暮らせる人は多くなく、新たな就業先を探すために、キャリアコンサルティングによる支援が必要になります。

個人の仕事に対する考え方の代表例としては、ワークライフバランスを重視した働き方などがあります。自分の趣味や家族の時間を中心に仕事を選ぶなど職業選択の自由が求められるようになり、ひとつの企業で継続的・安定的にキャリアアップすることが難しい時代に突入しています。自ら学んでスキルや知識を磨き、キャリアアップする必要があるため、キャリアコンサルティングによる支援を求める動きが活発化するようになりました。

キャリアコンサルティングの支援を受けるメリット

第三者への相談が可能

キャリアコンサルティングの支援を受けるメリットは、第三者への相談が可能なことです。キャリアに関する相談ができる人というのは意外に少なく、家族では具体的な事情を理解することはできないですし、会社の上司や同僚に相談する際は、転職についての話題を切り出すのは難しいはずです。キャリアコンサルティングであれば、キャリアに関する知識やノウハウを備えた第三者に相談できるため、関係性を気にせず気軽に考えを聞いてもらうことができますし、キャリアアップのための適切なアドバイスを受けることが可能です。

客観的な意見を聞ける

キャリアについて相談する相手がいなければ自分自身で考えることになりますが、事情を知っているのは自分自身だけであるため、想いだけが先行して冷静な判断ができないこともあります。正しい道を選んでいるのか不安になり、行動にうつせない方も多くいます。そこで役に立つのがキャリアコンサルティングの第三者による客観的な意見を聞くことです。自分の考えをヒアリングして客観的に見てもらうことで、冷静な判断を助けてもらえます。

適性の確認

キャリアコンサルティングでは、自己分析や市場動向のリサーチなど、段階を踏みながら自分のキャリアについて考察・検討していきます。分析を進める中で、自分では気づけなかった強みや弱みを発見することもあるでしょう。自分のやりたい事や考え方を自己分析で整理することで、キャリアにおける自分の適性を正しく見極めることができるようになります。自身の適性に合わせた学習をおこない、就業先を見つけることで、希望に近いキャリアを描けるはずです。

仕事への意識向上

キャリアコンサルティングの役割は、新たなスキルを身につけ、現在とは異なるキャリアを探すお手伝いはもちろんですが、今の職場でさらなる活躍ができるようサポートすることも活動の一つです。自身のキャリアについて相談しアドバイスを受ける中で、仕事に対する考え方・捉え方が自分の中で変化し、今の仕事への意識の高まりを感じられる人も多くいます。意識の変化は仕事へのモチベーションにつながるため、悩んで前に進めていないと感じている場合はぜひ相談してみてください。

キャリアコンサルティングでは何を行う?

自己分析・自己理解

キャリアコンサルティングで初めに行うことは、自己分析・自己理解です。自分の長所や短所、身につけているスキルを確認し、どのような経験を積んできたのかを確認します。自己分析を細かく実施するだけでも、自分の強みを発見することができるため、仕事への意識が向上するはずです。

環境分析

自分のキャリアを整理した後は、労働市場の現状や企業から求められているスキルの確認など、労働環境についての分析をおこないます。自分のスキルや経験と社会が求めているものを把握することで、何を学ぶ必要があるのかが明確になります。

目指すキャリアの明確化

自己分析と環境分析が完了したら、目指すキャリアを明確にして、ゴール到達までのプランを作成し、取るべきアクションをより具体的にします。プランができたら後は実行するのみです。定期的に進捗状況をチェックするようにしましょう。

まとめ

キャリアコンサルティングの概要やコンサル内容について解説しました。今後のキャリアについて心配事がある場合、家族でも同僚でもない第三者の意見を求めるのもひとつの手段です。知識とノウハウを持ち合わせた担当者から、自分に合ったサポートを得られるはずです。

さて、未経験からデジタル分野へのキャリアを模索している場合は、厚生労働省のデジタル人材育成のための「実践の場」開拓モデル事業(エントリー~ミドルモデル)をご確認ください。厚生労働省のデジタル人材育成のための「実践の場」開拓モデル事業(エントリー~ミドルモデル)は35才以上のデジタル職種未経験の方に向けて、公的職業訓練等で得た知識・スキルを活用できる実践の場(派遣就業)を通して、実務経験を積むことで、デジタル職種への就職を支援します。

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